コロナ禍で見えてきた東南アジア市場【「アジア進出を成功に導く25講」著者 藤井賢一郎が斬るアジアビジネス】


次の世界市場として注目されてきた東南アジア市場。人口も多く若く、低賃金の中、日本の製造業も多くの期待を抱いてきた。しかし、コロナにより明確になったことは、

  1. 安い人件費と若い多くの人材を利用するというビジネスモデルが崩れた
    (ア) 現実問題として人に頼る生産に関しては常にリスクヘッジが必要不可欠
    (イ) 工場の自動化 IT化をもっとすすめる必要があるのではないか?
  2. 東南アジア各国での経済構成を再度認識する必要がある
    (ア) 各国とも観光や資源の輸出などにも大きく経済が依存しており、製造業だけで経済が成り立っていない
    (イ) 製造業だけではその国の内需はもどらない
  3. ワクチンがいきわたらないために先進国に比較して経済再生に時間がかかる
    (ア) 2023年までかかると想定しており、その後もコロナ前の水準にもどるのか?
    (イ) インフラ整備も遅れており、さらに発展にブレーキがかかる

こうした中、東南アジアにすでに進出している日系製造業はどのような戦略をもてばよいのか?当社もそうだがグローバル化に踏み切った企業に後退は許されない。

日本は高齢化が進み、人口減少も止まらない。歴史上、人口減少がはじまった国が再度繁栄することはない。東南アジアの人々とビジネスを拡大していく必要はあるが、中国企業の進出も見逃せない。

コロナからはやくに立ち直った中国が東南アジアで政治だけでなく、ビジネスにおいても、その影響力を増大していくことはまちがいない。


当方の戦略としては、現在、当社ビジネスが好調な中国企業が、近い将来、日系製造業と同様に東南アジアに多くの工場を作ってくれることだ。

東南アジア最後の楽園といわれていたミャンマーがコロナではなく、クーデターでだめになったことで、日系製造業の進出先は東南アジアではもうなくなった。

期待されるベトナムもキャパシティが小さい上に、共産圏というリスクもつきまとう。いっそインドにといっても、未だ先がみえていない。

各国のローカルなシステム会社との協業も見逃せない。タイでは昨年2社の日系代理店が事業撤退した。ドメスティックニーズで当面は食えるという企業は信頼ならない。また、オフショア企業も同様。お貰い仕事をしているだけのシステム会社はそれ以外に使えない。

ではどうしたらそうした地に足の着いた企業をみつけられるのか?当社が日本からやっていたのではらちが明かない。

  • その国のローカル代理店を1社育成し、その他ローカル代理店へのビジネス拡大を一次代理店として依頼する
  • その国の人材を日本に読んで育成後に現地に返す
  • 相手先ブランドとして売っていただき、ネームバリューをあげる

いろいろと考えられるが、当社も所詮は日系企業。日本本社の承認がなければなにもできない。

当社製品が売れる東南アジア日系製造業市場では、3つの要素が絡み合う

  1. 大手の製造業が新興国に一気に進出してくる1年
    中国2008年 インドネシア2013年 ベトナム2019年
    日本本社からのロールアウトで予算も日本予算のケース
  2. なんらかの理由で既存工場の生産量があがる
    タイ2013年 中国の反日運動で生産が一気に中国工場からタイ工場にシフト
  3. 国民ひとり当たりのGDPが5000ドルを超える
    ソフトウェア価格は人件費に比例するため
    コロナ禍から中国同様にいち早く抜け出したベトナム市場が、米中摩擦の影響もあり、生産が増えていて、生産スケジューラに対する関心が高い割に売れないのは、現地予算であるため、日本価格では売れない事情がある

以上観点からすると、このコロナ禍でも顧客ニーズのあるベトナム市場で当社製品が採用されるには価格戦略が重要。

  • Asprova Light 東南アジアの工場で利用すめには必要十分な機能を有する。
  • データ量を2000に制限し、買取価格60万円 年間保守費用 9万円で提供。
  • アスプローバのノンカスタマイズのためにカスタマイズ費用は不要。
  • 導入支援費用はまちまちだが、ベトナムの月額SE平均費用40万円とすれば、保守費用をのぞけば、100万円で導入可能。

また、Asprova Lightは顧客の習熟度に応じてオプションで機能追加が可能。データ量に関しても追加費用で大きくできる。ちなみに2000データは、10工程に対して200lotを対象に計画できる。

東南アジア市場では価格の壁のほかに、機能に対して最初から多くをもとめすぎる点が失敗につながる。したがって、価格のみならず、機能に関してもSmall Startがのぞましいというのが当社過去10年のアジアビジネスの答え。

ピンチはチャンスであり、この時期であるからやれることも多い。一つは新しい製品提供・提案の在り方。各国のパートナーさんと協力した宣伝活動。インターネット環境をフル活用した情報提供など。東南アジア市場は来年には復活に向け動き出し、2023年には、急激な生産回復が見込まれる。その想定で、当社だけでなく顧客の工場もシステム化の準備など、今でしかできないことをしてほしい。

藤井賢一郎 fujii@asprova.com
2000年代より、中国・タイ・インドネシアに駐在。コロナの影響でベトナムには駐在できずにいるが、日々、現地の代理店と情報交換の上、ビジネスをすすめている。
アスプローバ株式会社 営業顧問著書
「アジア進出を成功に導く レクチャー25講」
株式会社青月社刊

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