コロナ禍でのリモートサービスの可能性【「アジア進出を成功に導く25講」著者 藤井賢一郎が斬るアジアビジネス】

当社も昨年からのコロナの影響で、東南アジア現地への駐在や出張ができなくなった。地元の代理店も顧客を直接訪問できない日々が続いていた。そんな中、当社としては昨年より、ZOOMを利用したオンラインセミナや営業支援を行ってきた。

利点としては、

  1. 場所や移動の時間を問わずいつでも実施できる。(東南アジアの場合は日本と時差があってもMAX2時間)
  2. オンラインによるセミナやフェアのマッチングは、顧客も時間・場所を気にせず実施できるので、比較的参加が多い。
  3. 商談やセミナをビデオに残すことで正確な議事録が残せ、セミナに関しては、何度も顧客が見返すことができる。

逆に難点としては、

  1. 実際の導入支援などではFace to Faceでないとうまく指導できない場合がある。
  2. 生産スケジューラは現場に直結するシステムであるため、製造現場を直接みないとイメージが共有できない。
  3. オンラインのセミナだと、比較的短い時間でないと興味を保てない。

それぞれ一長一短はあるが、個人的にはコロナ後もこうした環境が利用できることが好ましいと考える。本来、営業や会議はFace to Faceでないとと根拠もなくこだわってきた慣習があらためられると、業者にも顧客にもメリットのほうが多いのではないか?

特に当社のような製品は日本国内のみならず、世界にビジネスを展開している中で、現場に近いシステムという理由もあり、現地語での対応がもとめられることもしばしばだ。すべての国のローカル言語に対応できないとしても、少なくとも、日本語の他、英語・中国語の能力は必須だ。(この2ケ国語で世界の80%の人とコミュニケーションがとれる)

当社のビジネスモデルとして、日本本社は製品開発に専念し、製品のデリバリは各国の代理店に依頼している事情から、オンラインシステムで各国の技術者のリソースを共有できると効率がよい顧客サービスができる。生産スケジューラに精通する技術者はそう多くはいない。例えば、逆に日本のプロジェクトに海外の代理店の日本人もしくは日本語ができる技術者がオンラインで東南アジアから参加できると、コスト低減にもつながり、顧客のメリットにもなると思う。

今後は導入後の顧客であってもオンライン保守できるのではないだろうか?当社製品の場合、データボリュームは比較的大きくないため、不具合データなどメールでもおくれるが、それをベースにオンラインで会話すれば、解決も早くなるのではないか?

また、オンライン環境下ではメーカもいろいろな工夫を考えざるを得ない。製品の顧客教育のために、Youtubeを利用する。クリティカルなトラブルでもリモートで対応するとこで、復旧が早くなる。ライセンスの更新などもオンラインで対応していく。物理的な媒体の発送なしに、海外顧客にもタイムラグなしに対応できる。

顧客にとってもメーカにとってもいいことずくめのように思えるが、重要なことは、お互いの常識を覆がえすことだ。プロジェクトもFace to Face、オンサイトでないとお金を払った気がしない。高い製品にはきらびやかなパッケージが必要などとの無駄な概念をすてることだ。それによって顧客もプロジェクト費用に加えて、SEの交通費などもはらわなくてもよいし、製品自体も若干安価になるかもしれない。

世界中の人がコロナにこれだけ苦しめられたのだから、コロナ後は、以前とは違うメリットを享受したいものだ。また、パンデミックも今回のみで終わるわけではない。次回に予想される同様な環境下でもビジネスを停滞させることのない準備が必要だ。

当社としては、この機会に、いつでもどこでも製品の基本知識を習得できる無償紹介オンラインセミナを東南アジア各国で開催している。あえてオンライン下で、各国としているのは、顧客要求によっては、現地語での製品紹介も可能にしているということだ。東南アジアではまだまだ、生産スケジューラとは?という顧客も多い。ぜひこの機会にご利用いただきたい。

藤井賢一郎 fujii@asprova.com
2000年代より、中国・タイ・インドネシアに駐在。コロナの影響でベトナムには駐在できずにいるが、日々、現地の代理店と情報交換の上、ビジネスをすすめている。
アスプローバ株式会社 営業顧問

著書
「アジア進出を成功に導く レクチャー25講」
株式会社青月社刊