タイの新任工場長の悩み
うちの工場は世界的に有名なERPシステムを少し 前に導入した。日本本社の役員がコンサル企業の提案を気に入り各国で導入が始まった。
より効率的な生産ができるはずだった。
しかしこタイ工場では問題は多く発生し新しい工場長の私に解決が期待されている。
納期遅れが頻発しているし残業も多い。
アイさん、チャイさん、プーさんと話し前任者にも相談して原因が分かってきました。
原因 注文の変更
内示が確定オーダとずれることは以前もありましたが挽回計画という名の大きい注文があり
これがまた納期直前で変更になったりしました。コロナの影響でしかたがないことかもしれ
ません。
原因 海外製ERPの機能不足
この工場の以前のシステムは基本的には月の単位で製造計画をつくりMRPで資材発注をしていました。そのシステムは週単位で変更ができるように色々とカスタマイズしていたのでした。
前の工場長はそれにより変更に応じて資材発注も変更して欠品がなく、また資材の無駄な在庫や長く滞留する在庫を減らしていたのです。
ところが新しいERPシステムは基本的には月単位で購買と製造計画を作成して途中で変更するような機能はありませんでした。変更には安全在庫で対応するというような発想で作られていました。(ERPの機能不足については下部参照)
しかし、コロナによる挽回計画や輸入資材の納品遅れなどで月の途中で計画は大きく変更するしかなくアイさんやチャイさんプーさんは月に数百のオーダの生産計画や調達計画をエクセルで作り現場に作業指示を出さざるを得なくなりました。
製造計画の変更を資材調達や設備やラインへの割り付けに的確に反映することが難しく資材不足や設備利用の渋滞が発生し納期遅れが頻発したのでした。
新工場長
「計画変更はこれからもあるし、安全在庫を増すことは避けたい。
週単位や日単位で生産計画変更して購買計画とも連携できるAsprovaを
検討しよう。
数百オーダーもあって作業数や購買も考えると1000以上の要素をエクセルで
計画するのは人間には無理がある。アイさん達が辞めてしまいそうだ。
日本でもERPを補完するために多くの工場でAsprovaは導入されているようだ」
ERPの機能不足について補足
SAPも月単位で計画どおりに製造するための仕組みで突然の変更や追加に柔軟な対応を前提としていません。
日本の生産管理システムやERPには対応するものがあります。
ERPは特別な対応には高額な開発費が必要になることが多いです。